ヘスの法則

最終更新日: 2026-07-26

ヘスの法則

ヘスの法則(総熱量保存の法則)とは、反応熱は反応の経路によらず、反応の最初と最後の状態だけで決まるという法則です。1840年にヘス(G. H. Hess)が実験から見出しました。

法則の内容

  • (1) ヘスの法則とは、化学反応における反応熱の総量は、反応の経路や途中の段階によらず、始めの状態と終わりの状態だけで決まるという法則である。総熱量保存の法則ともいう。OpenStax「Enthalpy」
  • (2) エンタルピーが状態量(経路によらず状態だけで決まる量)であることの表れである。だから熱化学反応式は連立方程式のように足し引きできる。OpenStax「Enthalpy」

使い方

直接測定しにくい反応熱を、測定できる反応熱の組合せから計算できます。

例:炭素から一酸化炭素への生成熱

炭素を不完全燃焼させて一酸化炭素だけを得るのは難しく、生成熱を直接測れません。そこで測定できる次の2つを使います。

  1. C(黒鉛) + O₂(気) = CO₂(気) + 394kJ
  2. CO(気) + 1/2 O₂(気) = CO₂(気) + 283kJ

式1 − 式2 より
C(黒鉛) + 1/2 O₂(気) = CO(気) + 111kJ

測定との関係

  • (5) 反応熱は、実際には熱量計(カロリメーター)を用い、熱量=比熱 × 質量 × 温度変化 の関係から測定する。ヘスの法則は、測定できない反応熱を測定値から導くための道具である。OpenStax「Calorimetry」

危険物との関係

試験での頻出ポイント

  • 反応熱は反応経路によらない」が法則の核心です。「経路によって変わる」とする選択肢は誤りです。
  • 熱化学反応式は、通常の方程式と同じように足し引きできます
  • 反応熱=生成物の生成熱の和 − 反応物の生成熱の和」はヘスの法則の帰結です。
  • 発熱量の総和が同じでも、発熱速度が違えば危険性は大きく異なります。

出典・参考

ヘスの法則に関する問題