ルシャトリエの原理

最終更新日: 2026-07-26

ルシャトリエの原理

ルシャトリエの原理(ルシャトリエの法則、平衡移動の原理)とは、平衡状態にある系の条件を変えると、その変化をやわらげる向きに平衡が移動するという原理です。

原理の内容

条件ごとの平衡の移動

変化平衡が移動する向き
ある物質の濃度を増やすその物質が減る向き(消費される向き)
ある物質の濃度を減らすその物質が増える向き(生成される向き)
圧力を高くする(体積を小さくする)気体の分子数(係数の合計)が減る向き
圧力を低くする(体積を大きくする)気体の分子数が増える向き
温度を上げる吸熱の向き
温度を下げる発熱の向き
触媒を加える移動しない(速さが変わるだけ)
反応に無関係な気体を一定体積で加える移動しない

具体例:アンモニアの合成

N₂(気) + 3H₂(気) ⇄ 2NH₃(気) + 92kJ(発熱反応)

操作結果
圧力を高くする左辺4分子 → 右辺2分子なので右へ移動し、NH₃が増える
温度を下げる発熱の向き(右)へ移動し、NH₃が増える
温度を上げる吸熱の向き(左)へ移動し、NH₃が減る
NH₃を取り除くNH₃を生成する向き(右)へ移動する

危険物との関係

  • (7) 密閉容器内の液体と蒸気の平衡も、温度を上げると蒸発(吸熱)の向きへ移動して蒸気圧が高くなる。夏場に容器内圧が上がるのはこのためで、通気管や安全装置が必要になる。OpenStax「Phase Transitions」
  • (8) 気体の溶解も平衡であり、温度を上げると溶解度が下がり、圧力を上げると溶解度が上がる(ヘンリーの法則)。OpenStax「Shifting Equilibria: Le Châtelier's Principle」

試験での頻出ポイント

  • 「加えた変化をやわらげる向きへ移動する」が原理の核心です。
  • 圧力は「気体の分子数が減る向き」。両辺の気体分子数が等しければ移動しません。
  • 温度を上げると吸熱の向き。発熱反応では生成物が減ります。
  • 触媒では平衡は移動しません。これが最頻出のひっかけです。
  • 一定体積で無関係な気体(アルゴンなど)を加えても、各成分の分圧が変わらないため平衡は移動しません。

出典・参考

ルシャトリエの原理に関する問題