強化液消火剤
強化液消火剤は、炭酸カリウム(K₂CO₃)の濃厚な水溶液です。水の冷却効果に加えて、炭酸カリウムによる再燃防止と燃焼の連鎖反応の抑制(負触媒効果)をもちます。
特徴
- (1) 強化液は炭酸カリウムの濃厚水溶液で、アルカリ性(pH約12)を示す。総務省消防庁「危険物とは」
- (2) 炭酸カリウムを溶かしていることで凝固点が約−20℃と低く、寒冷地でも凍結しにくい。水消火器が使えない環境でも使用できる。総務省消防庁「危険物とは」
- (3) 消火効果は、水による冷却、炭酸カリウムの付着による再燃防止、そしてカリウムイオンによる燃焼の連鎖反応の抑制(負触媒効果)である。総務省消防庁「危険物とは」
棒状と霧状の適応の違い
強化液は、放射形態によって適応する火災が大きく変わります。
| 放射形態 | 普通火災(A) | 油火災(B・第4類) | 電気火災(C) |
|---|---|---|---|
| 棒状 | 適応 | 不適応 | 不適応 |
| 霧状 | 適応 | 適応 | 適応 |
- (4) 霧状の強化液は、普通火災・油火災(第4類)・電気設備のいずれにも適応する。棒状の強化液は普通火災にしか適応しない。政令別表第五でこの区別が示されている。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
- (5) 霧状にすると液滴が細かくなり、油面に浮いて広がる前に蒸発して冷却するため、油火災にも使える。また細かい粒は電気を伝えにくいため電気設備にも使える。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
移動タンク貯蔵所での位置づけ
- (6) 移動タンク貯蔵所に備える自動車用消火器として、霧状の強化液を放射するもので充てん量8L以上のものが規則第35条第2号に明記されている。二酸化炭素3.2kg以上、消火粉末3.5kg以上と並ぶ選択肢である。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第35条第2号」
使ってはいけない対象
- (7) 水を主成分とするため、禁水性物品・アルカリ金属の過酸化物・鉄粉・金属粉・マグネシウムには使用できない。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
試験での頻出ポイント
- 強化液の主成分は炭酸カリウムの水溶液。アルカリ性で凝固点が低いのが特徴です。
- 霧状なら油火災・電気火災にも適応、棒状なら普通火災のみ。この対比が最頻出です。
- 消火効果は冷却+再燃防止+抑制(負触媒)の3つです。
- 移動タンク貯蔵所の自動車用消火器では「霧状の強化液8L以上」という数値が問われます。
- 水系なので禁水性の危険物には使えません。
出典・参考
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令 別表第五
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する規則 第35条
- 総務省消防庁 危険物とは