消火剤の性質と適応

最終更新日: 2026-07-26

消火剤の性質と適応

消火剤は、どの消火作用で消すかどの対象に適応するかの2つで整理します。個々の消火剤の詳細は各項目で扱い、ここでは全体の比較を示します。

消火作用の4分類

作用内容代表的な消火剤
除去可燃物を取り除くガス栓を閉める、燃料を移す
窒息酸素を断つ泡、二酸化炭素、不活性ガス、乾燥砂
冷却熱を奪って温度を下げる水、強化液
抑制(負触媒)燃焼の連鎖反応を止める粉末、ハロゲン化物、強化液
  • (1) 消火作用は除去・窒息・冷却・抑制(負触媒)の4つに整理される。多くの消火剤は複数の作用を併せもつが、主となる作用がどれかで性格が決まる。総務省消防庁「危険物とは」

消火剤の比較表

消火剤主な作用普通火災(A)油火災(B・第4類)電気火災(C)備考
水(棒状)冷却××第5類の冷却消火に有効
水(霧状)冷却×霧状なら電気に適応
強化液(棒状)冷却・抑制××炭酸カリウム水溶液
強化液(霧状)冷却・抑制3種すべてに適応
窒息・冷却×水溶性液体には耐アルコール泡
二酸化炭素窒息×汚損なし。高濃度は人体に危険
ハロゲン化物抑制・窒息×汚損なし。オゾン層保護で生産全廃
粉末(ABC・リン酸塩類等)抑制・窒息3種すべてに適応
粉末(BC・炭酸水素塩類等)抑制・窒息×普通火災には不適応
乾燥砂・膨張ひる石等窒息金属火災を含め幅広く適応

個別の消火剤

類ごとの消火の考え方

消火の原則理由
第1類(酸化性固体)大量の水で冷却。ただしアルカリ金属の過酸化物等は乾燥砂等(注水厳禁)自ら酸素を出すため窒息が効きにくい
第2類(可燃性固体)一般には水・泡。ただし鉄粉・金属粉・マグネシウム乾燥砂等(注水厳禁)水と反応して水素を発生する
第3類自然発火性・禁水性)乾燥砂等。注水厳禁水と反応して可燃性ガスを発生する
第4類(引火性液体)泡・粉末・二酸化炭素・ハロゲン化物・霧状強化液棒状注水は不可水に浮いて燃え広がる
第5類(自己反応性物質)大量の水で冷却。窒息は効きにくい分子内に酸素供給源をもつ
第6類(酸化性液体)水・泡・乾燥砂等(物質により選択)自らは不燃だが可燃物の燃焼を助ける

試験での頻出ポイント

  • 消火作用の4分類と、各消火剤の主作用の対応。
  • 3種すべてに適応するのは霧状強化液ABC粉末・乾燥砂等です。
  • 棒状は油火災・電気火災に不適応、霧状なら適応(水・強化液に共通)。
  • 泡と水系は電気設備に使えません。
  • 第5類には窒息が効かず、大量注水が原則です。

出典・参考

消火剤の性質と適応に関する問題