ピクリン酸(C₆H₂(NO₂)₃OH)とは
第5類(ニトロ化合物)に分類され、乙種第5類試験で頻出の自己反応性物質です。フェノールに3つのニトロ基(NO₂)が付いた構造の黄色い結晶で、染料・火薬の製造などに用いられてきました。爆発感度が高く、厳格な貯蔵・取扱いが求められます。
(1) 第二種自己反応性物質に当たり、指定数量は100kgです。
性状のポイント
- (2) 黄色の結晶である。
- (3) 有毒で、苦味がある。
- (4) 冷水には溶けにくい(熱水やアルコールなどには溶ける)。
- (5) 分子内に3個のニトロ基(NO₂)を含むニトロ化合物である。
- (6) 乾燥状態では打撃・摩擦・加熱により爆発しやすい。
- (7) 金属と反応して衝撃に鋭敏な金属塩(ピクリン酸塩)を生成する。(厚労省SDS「安定性及び反応性」)
- (8) 水分を含ませた状態で貯蔵する。(厚労省SDS「保管」)
覚え方・ひっかけ
ピクリン酸は「ニトロ化合物の代表」で、硝酸エステル類(ニトログリセリン、ニトロセルロース)とは分類が異なる点がまず問われます。最大のひっかけは「金属との反応」:鉄・銅・鉛などの金属と反応して衝撃に鋭敏なピクリン酸塩をつくるため、金属容器を避けます。同じニトロ化合物のトリニトロトルエン(TNT)は金属と反応しにくい、という対比も頻出。乾燥させると危険なので水分を含ませて貯蔵する点は過酸化ベンゾイルと共通の考え方です。
出典・参考
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」ピクリン酸 安全データシート(CAS 88-89-1、2015年3月31日改訂)
- 総務省消防庁 危険物の判定に関する資料
※本問題・解説は上記の政府公表資料等を参考に作成しています。数値は代表値であり、製品や条件により幅があります。