配管の基準
危険物を取り扱う配管には、位置・構造・設備の技術上の基準が定められています。政令第9条第1項第21号がイからトまでの7項目を掲げ、トの委任を受けた規則第13条の5が支持物などを補います。製造所の基準ですが、屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・給油取扱所・一般取扱所の配管にも同じ基準が及びます。
移送取扱所の配管は、これとは別に規則第28条の3以下で詳細に規制されます。
政令が定める7項目(政令第9条第1項第21号)
| 号 | 内容 |
|---|---|
| イ | 設置条件・使用状況に照らして十分な強度を有し、かつ最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で水圧試験を行ったとき漏えいその他の異常がないこと(水以外の不燃性の液体・気体による試験を含む) |
| ロ | 取り扱う危険物により容易に劣化するおそれのないものであること |
| ハ | 火災等による熱によって容易に変形するおそれのないものであること(地下その他熱の悪影響を受けない場所に設置する場合を除く) |
| ニ | 外面の腐食を防止するための措置を講ずること(腐食するおそれのない条件下にある場合を除く) |
| ホ | 地下に設置する場合、接合部分からの漏えいを点検できる措置を講ずること(溶接その他漏えいのおそれがないと認められる接合方法によるものを除く) |
| ヘ | 加熱・保温のための設備を設ける場合は、火災予防上安全な構造とすること |
| ト | イからヘまでのほか、総務省令で定める基準(規則第13条の5)に適合すること |
- (1) 危険物を取り扱う配管は、当該配管に係る最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で水圧試験を行ったとき、漏えいその他の異常がないものでなければならない。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第21号イ」
- (2) 配管は、取り扱う危険物により容易に劣化するおそれがなく、かつ火災等の熱によって容易に変形するおそれのないものとする。ただし地下など熱の悪影響を受けない場所に設置する配管は変形の要件から除かれる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第21号ロ・ハ」
- (3) 配管を地下に設置する場合は、接合部分からの危険物の漏えいを点検できる措置を講ずる。溶接など漏えいのおそれがないと認められる方法で接合した部分は除かれる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第21号ホ」
外面の腐食を防止する措置(規則第13条の4)
設置場所によって、講じるべき防食措置が確定的に決まっています。
| 設置場所 | 防食措置 |
|---|---|
| 地上に設置する配管 | 地盤面に接しないようにするとともに、外面の腐食を防止するための塗装を行う |
| 地下で電気的腐食のおそれのある場所 | 告示で定めるところにより、塗覆装またはコーティング+電気防食 |
| 地下のその他の場所 | 告示で定めるところにより、塗覆装またはコーティング |
- (4) 地上配管は地盤面に接しないようにしたうえで塗装、地下の電気的腐食のおそれのある場所では塗覆装またはコーティングに加えて電気防食、地下のその他の場所では塗覆装またはコーティングにより外面の腐食を防止する。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第13条の4」
支持物と地下配管の保護(規則第13条の5)
- (5) 配管を地上に設置する場合は、地震・風圧・地盤沈下・温度変化による伸縮等に対し安全な構造の支持物により支持する。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第13条の5第1号」
- (6) その支持物は鉄筋コンクリート造またはこれと同等以上の耐火性を有するものとする。ただし火災によって支持物が変形するおそれのない場合はこの限りでない。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第13条の5第2号」
- (7) 配管を地下に設置する場合は、その上部の地盤面にかかる重量が配管にかからないように保護する。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第13条の5第3号」
配管まわりで押さえておく関連基準
- (8) 電動機および危険物を取り扱う設備のポンプ・弁・継手等は、火災の予防上支障のない位置に取り付ける。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第22号」
- (9) 製造所の保有空地は「危険物を取り扱う建築物その他の工作物」の周囲に確保するが、危険物を移送するための配管その他これに準ずる工作物は対象から除かれる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第2号」
試験での頻出ポイント
- 水圧試験の圧力は「最大常用圧力の1.5倍以上」。屋外貯蔵タンクの圧力タンクの水圧試験も同じ1.5倍なので、まとめて覚えられます。
- 地上配管は「地盤面に接しないようにして塗装」。「地盤面に密着させる」とする選択肢は誤りです。
- 地下配管は「上部の地盤面にかかる重量が配管にかからないように保護」。埋設深さの数値ではなく荷重の話である点に注意します。
- 支持物は原則として鉄筋コンクリート造またはこれと同等以上の耐火性。「木造でよい」とする選択肢は誤りです。
- 保有空地の計算からは配管が除かれます。「配管の周囲にも保有空地が必要」とする選択肢は、製造所については誤りです(移送取扱所の地上配管は規則第28条の16で別に空地が必要)。
出典・参考
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する規則
- 総務省消防庁 法令・通知等