保安検査
(1) 保安検査は、施設側が行う定期点検とは異なり、市町村長等が行う検査です(消防法第14条の3)。大規模な屋外タンク貯蔵所と長大・高圧の移送取扱所を対象に、施設が技術上の基準に従って維持されているかを確認します。所有者・管理者・占有者が自ら行う定期点検とは、実施主体・対象・周期のすべてが別に定められています。
定期に受ける保安検査
(2) 定期に受ける保安検査の対象・周期・検査事項は次のとおりです(危険物の規制に関する政令第8条の4)。
| 対象 | 周期 | 検査事項 |
|---|---|---|
| 貯蔵し、または取り扱う液体危険物の最大数量が1万kL以上の特定屋外タンク貯蔵所 | 原則8年。総務省令の保安のための措置を講じたものは市町村長等が定める10年または13年、底部の板厚の年間腐食減少量が基準を満たし保安措置を講じたものは市町村長等が定める8年以上15年以内 | 液体危険物タンクの底部の板の厚さ、底部の溶接部 |
| 岩盤タンクに係る特定屋外タンク貯蔵所 | 10年 | 岩盤タンクの構造・設備 |
| 特殊液体危険物タンクのうち総務省令で定めるものに係る特定屋外タンク貯蔵所 | 13年 | 総務省令で定める部分の板の厚さ、溶接部 |
| 配管の延長が15kmを超える移送取扱所、および最大常用圧力0.95MPa以上で配管の延長が7km以上15km以下の移送取扱所 | 1年 | 移送取扱所の構造・設備 |
(3) 対象になるのは上の4区分だけです。屋外タンク貯蔵所であっても、液体危険物の最大数量が1万kL未満のもの(特定屋外タンク貯蔵所に当たらないもの)は保安検査の対象ではありません。地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・給油取扱所などは、数量にかかわらず保安検査の対象外で、定期点検の側で規制されます。
(4) 移送取扱所は、保安検査の対象になるもの(配管の延長15km超、または最大常用圧力0.95MPa以上で配管の延長7km以上15km以下)が定期点検の対象から除かれるという関係にあります。同じ施設が両方の対象になるのではなく、規模で振り分けられます(危険物の規制に関する政令第8条の3・第8条の5)。
臨時保安検査
(5) 特定屋外タンク貯蔵所には、周期によらない臨時保安検査もあります。液体危険物タンクの直径に対する不等沈下の数値の割合が100分の1以上であること等、令第8条の4第5項の事由が生じたときに、市町村長等の検査を受けます。定期の保安検査が「周期が来たら受ける」ものであるのに対し、臨時保安検査は「事由が生じたら受ける」ものです。
手続と結果
(6) 保安検査を受けようとする者は、屋外タンク貯蔵所または移送取扱所の区分に応じた申請書を市町村長等へ提出します。技術上の基準に適合していると認められると保安検査済証が交付されます(危険物の規制に関する規則第62条の3)。災害その他の事由により所定の時期に検査を行うことが適当でないときは、申請に基づいて市町村長等が別の時期を定めることができます。
根拠:消防法第14条の3、危険物の規制に関する政令第8条の3・第8条の4、危険物の規制に関する規則第62条の2・第62条の3・第62条の2の2。