無煙燃焼
無煙燃焼とは、炎(火炎)も煙もほとんど出さずに、固体の表面が赤熱しながら進む燃焼です。可燃性ガスをほとんど発生しない固体で起こり、表面燃焼とほぼ同じ現象を指します。木炭やコークスが赤くおこった状態が典型例です。
定義と特徴
- (1) 無煙燃焼とは、可燃性ガスをほとんど発生しない固体が、固体の表面で直接酸素と反応して進む燃焼で、炎も煙もほとんど出さないものをいう。表面燃焼と同義に用いられる。消防試験研究センター「丙種公開問題」
- (2) 炎が出ないのは、燃焼が固体表面で起こり、気相中で燃える可燃性ガスがほとんど生じないためである。炎は気体が燃えるときに見える現象である。総務省消防庁「危険物とは」
- (3) 代表例は木炭・コークス・活性炭である。金属粉(アルミニウム粉・鉄粉・マグネシウムなど)の燃焼も表面燃焼に分類される。消防試験研究センター「丙種公開問題」
木材との違い
同じ「木」でも、生の木材と木炭では燃え方が違います。
| 対象 | 燃焼形態 | 炎 |
|---|---|---|
| 木材・石炭 | 分解燃焼(熱分解で可燃性ガスを発生し、そのガスが燃える) | 出る |
| 木炭・コークス | 無煙燃焼(表面燃焼)(熱分解で出る成分をすでに失っている) | ほとんど出ない |
- (4) 木材や石炭は加熱により熱分解して可燃性ガスを発生し、そのガスが燃える分解燃焼である。木炭やコークスはすでに揮発分を失っているため可燃性ガスをほとんど発生せず、無煙燃焼(表面燃焼)になる。消防試験研究センター「丙種公開問題」
危険物との関係
- (5) 第2類の鉄粉・アルミニウム粉・マグネシウムなどの金属粉は表面燃焼(無煙燃焼)をする。粉末状で比表面積が大きいと燃焼が急激になり、粉じん爆発につながる。総務省消防庁「危険物とは」
- (6) 金属粉の無煙燃焼には、水や泡などの水系消火剤は使えない(水と反応して水素を発生するため)。乾燥砂や膨張ひる石・膨張真珠岩などで覆う方法をとる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
くん焼(燻焼)との関係
- (7) 布や綿、おがくずなどが低温で炎を上げずにじわじわ燃え続ける現象をくん焼という。炎が出ない点は無煙燃焼と共通だが、くん焼では熱分解による煙(可燃性ガス・タール分)を伴い、条件が変わると有炎燃焼に移行する。総務省消防庁「危険物とは」
試験での頻出ポイント
- 無煙燃焼=表面燃焼。木炭・コークス・金属粉が代表例です。
- 「木材は無煙燃焼である」は誤り。木材は分解燃焼です。木炭になって初めて無煙燃焼になります。
- 炎が出ないのは「固体表面で反応し、可燃性ガスが出ないから」。理由まで問われます。
- 金属粉の火災に注水すると水素が発生して危険です。乾燥砂等で覆います。