許可の取消し・使用停止命令

最終更新日: 2026-07-26

許可の取消し・使用停止命令

消防法第12条の2は、製造所等の所有者等に違反があったときに市町村長等が行う制裁的な処分を定めています。処分の重さが2段階に分かれており、どの違反がどちらに当たるかがそのまま出題されます。

処分内容根拠
許可の取消し または 期間を定めた使用停止命令市町村長等はいずれかを選択できる法第12条の2第1項
期間を定めた使用停止命令のみ許可の取消しはできない法第12条の2第2項

許可の取消しまたは使用停止命令の事由(第1項・5号)

違反の内容
1許可を受けないで製造所等の位置・構造・設備を変更したとき(無許可変更)
2完成検査済証の交付前に製造所等を使用したとき(法第11条第5項違反)。ただし仮使用の承認を受けた場合を除く
3修理・改造・移転命令(法第12条第2項)に違反したとき
4保安検査を受けないとき(法第14条の3第1項・第2項違反)
5定期点検を実施しない、記録を作成しない、記録を保存しないとき(法第14条の3の2違反)

いずれも施設そのものの安全性が確認できない類型です。だから許可を取り消してでも止める必要があります。

使用停止命令のみの事由(第2項・4号)

違反の内容
1貯蔵・取扱基準遵守命令(法第11条の5第1項・第2項)に違反したとき
2危険物保安統括管理者を定めないとき、またはその者に業務を統括管理させないとき(法第12条の7第1項違反)
3危険物保安監督者を定めないとき、またはその者に業務を行わせないとき(法第13条第1項違反)
4危険物保安統括管理者危険物保安監督者の解任命令(法第13条の24第1項)に違反したとき

こちらは運用体制の不備であり、体制を立て直せば再開できるため、許可の取消しまではしません。

覚え方

  • (3) 消防法第12条の2では、事由によって「許可の取消しまたは使用停止」と「使用停止のみ」が分かれる。施設のハード面(無許可変更・完成検査前使用・修理命令違反・保安検査定期点検)は取消しあり人と運用のソフト面(基準遵守命令違反・保安統括管理者/保安監督者の未選任・解任命令違反)は使用停止のみと整理する。e-Gov「消防法 第12条の2」

危険物施設保安員は、未選任でも使用停止命令の事由になりません(法第12条の2第2項に掲げられていない)。ここも狙われます。

処分をしたときの公示

  • (4) 許可の取消し・使用停止命令をしたときも、法第11条の5第4項・第5項が準用され、標識の設置その他の方法で公示しなければならない。所有者等は標識の設置を拒み、または妨げてはならない。e-Gov「消防法 第12条の2第3項」

緊急使用停止命令との違い

許可の取消し・使用停止命令(法第12条の2)緊急使用停止命令(法第12条の3)
性格違反行為に対する制裁危険の除去のための予防的措置
要件法定の違反事由に該当すること公共の安全の維持または災害の発生の防止のため緊急の必要があること
違反の要否必要不要
内容許可の取消し、または期間を定めた使用停止使用の一時停止、または使用の制限

試験での頻出ポイント

  • 危険物保安監督者を定めなかった」→使用停止のみ。「許可を取り消される」とする選択肢は誤りです。
  • 定期点検をしなかった」「保安検査を受けなかった」→許可の取消しもあり得る
  • 完成検査済証の交付前に使用した」→許可の取消しもあり得る(ただし仮使用の承認を受けていれば適法)。
  • 危険物施設保安員の未選任は、使用停止命令の事由に含まれていません。
  • 処分の主体はいずれも市町村長等です。

出典・参考

許可の取消し・使用停止命令に関する問題