危険物保安統括管理者
制度の目的と判断単位
(1) 危険物保安統括管理者は、大量の第4類危険物を取り扱う事業所で、危険物施設全体の保安を統括する者です。個々の施設だけでなく、同一事業所に設置された指定施設を単位として判断します(消防法第12条の7)。
対象となる指定施設と数量
(2) 対象は第4類危険物を取り扱う指定施設です。貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所などはこの制度の指定施設に含まれません(危険物の規制に関する政令第30条の3)。
| 指定施設 | 第4類危険物の数量 | 危険物保安統括管理者 |
|---|---|---|
| 製造所 | 指定数量の3,000倍以上 | 必要 |
| 一般取扱所 | 指定数量の3,000倍以上 | 必要 |
| 対象となる特定移送取扱所 | 指定数量の1倍以上 | 必要 |
| 上記以外の製造所等 | ― | この制度の対象外 |
(3) 製造所と一般取扱所については、同一事業所の指定施設で取り扱う第4類危険物の数量を合計して3,000倍以上になるかを判断します。例えば、対象となる製造所1,800倍と一般取扱所1,200倍を同一事業所に設置する場合は、合計3,000倍となるため対象です。
(4) 移送取扱所はすべてが指定施設になるわけではありません。対象となるのは、長距離または高圧の配管を有する特定移送取扱所のうち、省令・告示で除外されないものです。その数量基準は指定数量、すなわち1倍以上であり、3,000倍ではありません(危険物の規制に関する規則第47条の4・第47条の5)。
指定施設から除かれるもの
(5) 次のものは、危険物保安統括管理者の対象となる指定施設から除かれます。
| 区分 | 主な除外 |
|---|---|
| 一般取扱所 | ボイラー等での消費、車両固定タンクへの注入、容器への詰替え、油圧・潤滑油循環装置等での取扱い |
| 製造所・移送取扱所・一般取扱所 | 鉱山保安法が適用されるもの(規則第60条第5号) |
| 移送取扱所 | 特定移送取扱所以外のもの、または告示で定める一部の特定移送取扱所 |
危険物施設保安員の除外にある「火薬類取締法が適用される製造所・一般取扱所」は規則第60条第6号ですが、危険物保安統括管理者の除外は同条第1号から第5号までを引用しているため、同じ範囲ではありません。
選任する者と届出
(6) 危険物保安統括管理者には、当該事業所で事業の実施を統括管理する者を充てます。危険物取扱者免状や6か月以上の実務経験は、法定の選任要件ではありません。
(7) 危険物保安統括管理者を選任または解任したときは、遅滞なく市町村長等へ届け出ます。事前の認可を受ける制度ではありません。