製造・詰替え・消費・廃棄の基準
危険物の取扱いの技術上の基準を定める危険物の規制に関する政令第27条は、取扱いの行為の種類ごとに第2項から第5項までを置いています。
| 項 | 取扱いの種類 |
|---|---|
| 第2項 | 製造の技術上の基準(蒸留・抽出・乾燥・粉砕の4工程) |
| 第3項 | 詰替えの技術上の基準 |
| 第4項 | 消費の技術上の基準(吹付塗装・焼入れ・染色洗浄・バーナー) |
| 第5項 | 廃棄の技術上の基準(焼却・埋没・投棄禁止) |
| 第6項 | 施設区分ごとの取扱いの基準(給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・移動タンク貯蔵所) |
第2項から第5項までは行為の種類で分かれており、どの製造所等で行うかを問いません。「工程の名前」と「守るべきこと」の対応を覚えるのが最短です。
製造の基準(政令第27条第2項)
| 工程 | 基準 |
|---|---|
| 蒸留工程 | 危険物を取り扱う設備の内部圧力の変動等により、液体・蒸気・ガスが漏れないようにする |
| 抽出工程 | 抽出罐(かん)の内圧が異常に上昇しないようにする |
| 乾燥工程 | 危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱・乾燥する |
| 粉砕工程 | 危険物の粉末が著しく浮遊し、または粉末が著しく機械器具等に附着している状態で、その機械器具等を取り扱わない |
- (1) 蒸留工程では、危険物を取り扱う設備の内部圧力の変動等により、液体・蒸気・ガスが漏れないようにする。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第2項第1号」
- (2) 抽出工程では、抽出罐の内圧が異常に上昇しないようにする。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第2項第2号」
- (3) 乾燥工程では、危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱または乾燥する。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第2項第3号」
- (4) 粉砕工程では、危険物の粉末が著しく浮遊している状態、または粉末が著しく機械器具等に附着している状態で、その機械器具等を取り扱わない。粉じん爆発を防ぐためである。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第2項第4号」
詰替えの基準(政令第27条第3項)
- (5) 危険物を容器に詰め替える場合は、総務省令の定めるところにより収納する(規則第39条の3・別表第3、第3の2)。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第3項第1号」
- (6) 危険物を詰め替える場合は、防火上安全な場所で行う。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第3項第2号」
ガソリンを販売するために容器へ詰め替えるときは、これに加えて本人確認・使用目的の確認・販売記録の作成が必要です(規則第39条の3の2)。
消費の基準(政令第27条第4項)
| 作業 | 基準 |
|---|---|
| 吹付塗装作業 | 防火上有効な隔壁等で区画された安全な場所で行う |
| 焼入れ作業 | 危険物が危険な温度に達しないようにして行う |
| 染色・洗浄の作業 | 可燃性の蒸気の換気をよくして行うとともに、廃液をみだりに放置しないで安全に処置する |
| バーナーを使用する場合 | バーナーの逆火(ぎゃっか)を防ぎ、かつ危険物があふれないようにする |
- (7) 吹付塗装作業は、防火上有効な隔壁等で区画された安全な場所で行う。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第4項第1号」
- (8) 焼入れ作業は、危険物が危険な温度に達しないようにして行う。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第4項第2号」
- (9) 染色または洗浄の作業は、可燃性蒸気の換気をよくして行うとともに、廃液をみだりに放置しないで安全に処置する。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第4項第3号」
- (10) バーナーを使用する場合は、バーナーの逆火を防ぎ、かつ危険物があふれないようにする。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第4項第4号」
廃棄の基準(政令第27条第5項)
| 方法 | 基準 |
|---|---|
| 焼却 | 安全な場所で、燃焼または爆発によって他に危害・損害を及ぼすおそれのない方法で行うとともに、見張人をつける |
| 埋没 | 危険物の性質に応じ、安全な場所で行う |
| 海中・水中への流出・投下 | してはならない。ただし、他に危害・損害を及ぼすおそれのないとき、または災害の発生を防止するための適当な措置を講じたときはこの限りでない |
- (11) 危険物を焼却する場合は、安全な場所で、燃焼または爆発によって他に危害・損害を及ぼすおそれのない方法で行うとともに、見張人をつけなければならない。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第5項第1号」
- (12) 危険物を埋没する場合は、危険物の性質に応じ、安全な場所で行う。埋没自体が禁じられているわけではない。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第5項第2号」
- (13) 危険物は海中または水中に流出させ、または投下してはならない。ただし、他に危害・損害を及ぼすおそれのないとき、または災害の発生を防止するための適当な措置を講じたときはこの限りでない。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第5項第3号」
関連する通則の規定
- (14) 危険物のくず・かす等は、1日に1回以上、危険物の性質に応じて安全な場所で廃棄その他適当な処置をする(政令第24条第5号の通則)。廃棄の基準(第27条第5項)と合わせて覚える。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第24条第5号」
特殊な危険物の特例
- (15) アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、アセトアルデヒド、酸化プロピレンその他総務省令で定める危険物、および第4類のうちメタノール・エタノールまたはこれらを含有するものの取扱いの技術上の基準は、危険物の性質に応じて別に総務省令で定められる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第27条第7項」
試験での頻出ポイント
- 工程名と対策の対応が問われます。「蒸留=漏れない」「抽出=内圧上昇させない」「乾燥=局部的に加熱しない」「粉砕=浮遊・附着状態で扱わない」の4点セットです。
- 消費では「吹付塗装=区画された安全な場所」「焼入れ=危険な温度にしない」「染色・洗浄=換気+廃液を放置しない」「バーナー=逆火防止・あふれ防止」。
- 廃棄で最も狙われるのは焼却時の見張人です。「見張人は不要」とする選択肢は誤りです。
- 「危険物は埋没してはならない」は誤りです。埋没は、危険物の性質に応じ安全な場所で行えます。禁止されているのは海中・水中への流出・投下です(例外あり)。
出典・参考
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令 第27条
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する規則
- 総務省消防庁 法令・通知等