貯蔵・取扱いの基準

最終更新日: 2026-07-26

貯蔵・取扱いの基準

消防法第10条第3項は「製造所等においてする危険物の貯蔵又は取扱いは、政令で定める技術上の基準に従ってこれをしなければならない」と定めています。その政令が第24条から第27条までで、次の3段階の構造になっています。

段階条文内容
① 通則政令第24条貯蔵・取扱いのすべてに共通する基準(14項目)
② 類ごとの共通基準政令第25条第1類から第6類まで、類ごとに共通する基準
③ 個別基準政令第26条(貯蔵)・第27条(取扱い)貯蔵の基準、取扱い(製造・詰替え・消費・廃棄・施設別)の基準
  • (1) 貯蔵・取扱いの基準は、通則(政令第24条)→類ごとの共通基準(政令第25条)→貯蔵の基準(政令第26条)・取扱いの基準(政令第27条)の3段階で構成されている。e-Gov「消防法 第10条第3項」

① すべてに共通する基準(政令第24条 通則)

内容
1許可または届出に係る品名以外の危険物、許可等に係る数量・指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵・取り扱わない
2みだりに火気を使用しない
3係員以外の者をみだりに出入りさせない
4常に整理および清掃を行い、みだりに空箱その他の不必要な物件を置かない
4の2貯留設備・油分離装置にたまった危険物は、あふれないように随時くみ上げる
5危険物のくず・かす等は、1日に1回以上、危険物の性質に応じて安全な場所で廃棄その他適当な処置をする
6危険物の性質に応じ、遮光または換気を行う
7温度計・湿度計・圧力計その他の計器を監視し、適正な温度・湿度・圧力を保つ
8危険物が漏れ、あふれ、飛散しないよう必要な措置を講ずる
9変質・異物の混入等により危険性が増大しないよう必要な措置を講ずる
10危険物が残存し、または残存しているおそれのある設備・機械器具・容器等を修理する場合は、安全な場所で危険物を完全に除去した後に行う
11容器は、危険物の性質に適応し、破損・腐食・さけめ等がないものとする
12容器をみだりに転倒・落下させ、衝撃を加え、引きずる等の粗暴な行為をしない
13可燃性の液体・蒸気・ガスが漏れ、もしくは滞留するおそれのある場所、可燃性の微粉が著しく浮遊するおそれのある場所では、電線と電気器具を完全に接続し、火花を発する機械器具・工具・履物等を使用しない
14危険物を保護液中に保存する場合は、危険物が保護液から露出しないようにする

② 類ごとに共通する基準(政令第25条)

類ごとの基準は、その類の危険性を裏返した内容です。

避けるべきこと
第1類可燃物との接触・混合、分解を促す物品との接近、過熱・衝撃・摩擦。アルカリ金属の過酸化物等は水との接触も避ける
第2類酸化剤との接触・混合、炎・火花・高温体との接近、過熱。鉄粉・金属粉・マグネシウム等は水または酸との接触も避ける引火性固体はみだりに蒸気を発生させない
第3類自然発火性物品自然発火性試験で所定の性状を示すもの、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム黄りん)は炎・火花・高温体との接近、過熱、空気との接触を避ける。禁水性物品は水との接触を避ける
第4類炎・火花・高温体との接近、過熱を避け、みだりに蒸気を発生させない
第5類炎・火花・高温体との接近、過熱、衝撃・摩擦を避ける
第6類可燃物との接触・混合、分解を促す物品との接近、過熱を避ける

③ 貯蔵の基準(政令第26条)

貯蔵所での混載・混貯

類を異にする危険物を同時に貯蔵できる例外(規則第39条第1号)は、屋内貯蔵所または屋外貯蔵所類ごとに取りまとめ、相互に1m以上の間隔を置く場合に限り、次の組合せです。

組合せ
第1類(アルカリ金属の過酸化物等を除く)と第5類
第1類第6類
第2類自然発火性物品(黄りんまたはこれを含有するものに限る)
第2類のうち引火性固体第4類
アルキルアルミニウム等と、第4類のうちアルキルアルミニウム・アルキルリチウムのいずれかを含有するもの
第4類のうち有機過酸化物等と、第5類のうち有機過酸化物等
第4類と、第5類のうち1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン等

屋内貯蔵所屋外貯蔵所

タンク

移動タンク貯蔵所

施設基準との違い

  • (26)保安距離を確保する」「防油堤を設ける」は位置・構造・設備の基準(消防法第10条第4項)、「火気を使用しない」「容器を粗暴に扱わない」は貯蔵・取扱いの基準(同条第3項)である。施設が完成検査に適合した後も、日々の作業では貯蔵・取扱いの基準を守り続けなければならない。e-Gov「消防法 第10条」

試験での頻出ポイント

  • 数値は「くず・かすは1日1回以上」「自然発火のおそれのあるものは倍数10以下ごと・0.3m以上」「屋内貯蔵所の容器の温度は55℃以下」「積み重ね3m(第3・第4石油類動植物油類は4m、機械荷役容器は6m)」「混貯の間隔は1m以上」の5点が定番です。
  • 「類を異にする危険物は同一の貯蔵所に貯蔵しない」が原則。例外は7組合せで、いずれも1m以上の間隔が条件です。
  • 黄りん(水中貯蔵)と禁水性物品は例外なく同一貯蔵所に置けません。
  • 「元弁・注入口の弁・計量口は使用時以外閉鎖」「防油堤の水抜口は通常閉鎖」は、閉じるか開けるかを入れ替えた選択肢が定番です。

出典・参考

貯蔵・取扱いの基準に関する問題