製造所等の個別技術基準
危険物の製造所等には、施設の種類と危険物の量・性質に応じた位置、構造、設備および取扱いの基準があります。試験では、似た名称の施設間で数値や設備を入れ替えた選択肢がよく出るため、施設ごとに整理します。
貯蔵所
- (1) 屋内貯蔵所の貯蔵倉庫は、原則として独立した専用の建築物とし、軒高6m未満の平家建で床を地盤面以上に設けます(危険物の規制に関する政令第10条)。
- (2) 屋外貯蔵所で貯蔵できるのは、第2類の硫黄・硫黄のみを含有するもの・引火点0℃以上の引火性固体と、第4類のうち引火点0℃以上の第1石油類、アルコール類、第2〜第4石油類、動植物油類です(危険物の規制に関する政令第2条)。
- (3) 屋外タンク貯蔵所の保有空地は、指定数量の倍数が500以下なら3m以上、500を超え1,000以下なら5m以上で、倍数が増えるにつれて広くなります(危険物の規制に関する政令第11条)。
- (4) 引火点を有する液体危険物の屋外貯蔵タンクを囲む防油堤は、タンク1基ならその容量の110%以上、複数基なら最大タンク容量の110%以上の容量を必要とします(危険物の規制に関する規則第22条)。
- (5) 屋内貯蔵タンクの容量は原則として指定数量の40倍以下で、第4石油類・動植物油類以外の第4類は、40倍が20,000Lを超える場合でも20,000L以下です。同一タンク専用室の容量合計にも同じ上限がかかります(危険物の規制に関する政令第12条)。
- (6) タンク室方式の地下貯蔵タンクは、頂部を地盤面から0.6m以上下にし、タンク室内側との間を0.1m以上あけて周囲に乾燥砂を詰めます(危険物の規制に関する政令第13条)。
- (7) 簡易タンク貯蔵所は、1施設につき簡易貯蔵タンク3基以内で、同一品質の危険物用タンクを2基以上設置できません。簡易タンク1基の容量は600L以下です(危険物の規制に関する政令第14条)。
移動タンク貯蔵所
- (8) 移動貯蔵タンクの容量は30,000L以下で、内部を4,000L以下ごとに厚さ3.2mm以上の鋼板等で完全に間仕切ります(危険物の規制に関する政令第15条)。
- (9) 移動タンク貯蔵所には、完成検査済証、定期点検記録その他総務省令で定める書類を備え付けます(危険物の規制に関する政令第30条の2)。
- (10) 移動タンク貯蔵所による移送では、出発前に底弁その他の弁、マンホール・注入口のふた、消火器等を十分に点検します(危険物の規制に関する政令第30条の2)。
取扱所
- (11) 給油取扱所の給油空地は、原則として固定給油設備のホース機器の周囲に間口10m以上・奥行6m以上を確保します。注油空地は給油空地以外の場所に設けます(危険物の規制に関する政令第17条)。
- (12) 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所では、顧客の作業を監視・制御し、必要な指示を行える設備を設けます。制御卓は全ての顧客用固定給油・注油設備の使用状況を直接または監視設備で確認できる位置に置きます(危険物の規制に関する規則第28条の2の5)。
- (13) 販売取扱所では、危険物を原則として容器入りのまま販売し、所定の配合室で認められる場合を除いて配合や詰替えを行いません(危険物の規制に関する政令第27条)。
- (14) 移送取扱所は配管・ポンプ等の安全を確認してから移送を開始し、移送中は圧力と流量を常時監視するとともに、1日1回以上巡視します(危険物の規制に関する政令第28条)。
- (15) 一般取扱所は給油・販売・移送取扱所以外の取扱所で、位置・構造・設備には原則として製造所の基準が準用されます(危険物の規制に関する政令第19条)。
消火・警報・避難設備
- (16) 所要単位は、消火設備の設置対象となる建築物・工作物の規模または危険物量を表す基準単位です。第五種消火設備の能力単位などと比較して必要数を決めます(危険物の規制に関する規則第29条)。
- (17) 第一種の屋内消火栓は各階の各部分からホース接続口まで水平距離25m以下、屋外消火栓は建築物の各部分からホース接続口まで水平距離40m以下となるよう配置します(危険物の規制に関する規則第32条・第35条)。
- (18) 指定数量の倍数が10以上の製造所等のうち総務省令で定めるものには、火災時に自動作動する火災報知設備その他の警報設備が必要です(危険物の規制に関する政令第21条)。
- (19) 危険物施設の避難設備として規則が定める対象には一定の給油取扱所があり、避難経路等に誘導灯を設け、誘導灯には非常電源を付置します(危険物の規制に関する政令第22条、危険物の規制に関する規則第38条の2)。
出典・参考
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する規則
- 総務省消防庁 法令・通知等
※特例施設や危険物の性質に応じた基準の加重・緩和があります。問題文に特例の指定がない場合は一般基準を扱います。